手を出さないと、決めていたのに
お互い両手に力を込めた。だが、もちろん男の力にかなうはずがない。
「キスするよ……」
そのセリフに反応し、姉は首を大きく右へ振った。更に腕に力を込め、払おうとしてくる。
「そんなに嫌がらないで。力づくでどうにかしようとは思ってないから」
言いながら髪から少し見え隠れした耳たぶを、ペロリと舐めた。
「えっ!? 嫌! 離して!」
更に腕に力を込めて来る。強情だなと、可愛く思いながら、耳元でゆっくり囁いた。
「キスだけ、するよ。ごめんね、愛」
初めて呼び捨てにした。姉もそのことに気付いたのか、目を大きく見開いた。
そして、唇を堅く結んでしまう。
「……まあ、いいか」
オレは仕方なく、頬にキスをした。唇をつけて舌で軽く撫で、更にチュっと吸う。
と、同時に諦めたのか、突然抵抗力がなくなった。
しかしその表情は観念したようではない。
「……いや?」
気遣って、なんとか出たセリフ。
「……ちょっと……もう離してよ……」
腕にあまり力は入っていない。
「嫌だよ。俺の気持ちを、とりあえず分かってくれるまで」
「………。分かった……分かったわよ……。そういう気持ちでいることは、分かった。だからちょっともう離して」
「つれないな……。こんなに想ってる気持ちが、どれほども伝わったと思えない」
「……腕もう離して……痛い」
「力入れてないよ?」
「痛いよ」
姉はずっとシーツを見つめたまま、こちらを見ようともしない。
「兄さんはこんな俺を多分軽蔑するだろうな。そういうちゃんとした人だから」
姉は何も反応しない。
「ねえ、姉さん……好きだよ。今、自分の中に姉さんがいるなんて、信じられないくらい幸せだ。本当。ずっとずっと好きで……ほんとに、ずっと好きだったんだから……」
「キスするよ……」
そのセリフに反応し、姉は首を大きく右へ振った。更に腕に力を込め、払おうとしてくる。
「そんなに嫌がらないで。力づくでどうにかしようとは思ってないから」
言いながら髪から少し見え隠れした耳たぶを、ペロリと舐めた。
「えっ!? 嫌! 離して!」
更に腕に力を込めて来る。強情だなと、可愛く思いながら、耳元でゆっくり囁いた。
「キスだけ、するよ。ごめんね、愛」
初めて呼び捨てにした。姉もそのことに気付いたのか、目を大きく見開いた。
そして、唇を堅く結んでしまう。
「……まあ、いいか」
オレは仕方なく、頬にキスをした。唇をつけて舌で軽く撫で、更にチュっと吸う。
と、同時に諦めたのか、突然抵抗力がなくなった。
しかしその表情は観念したようではない。
「……いや?」
気遣って、なんとか出たセリフ。
「……ちょっと……もう離してよ……」
腕にあまり力は入っていない。
「嫌だよ。俺の気持ちを、とりあえず分かってくれるまで」
「………。分かった……分かったわよ……。そういう気持ちでいることは、分かった。だからちょっともう離して」
「つれないな……。こんなに想ってる気持ちが、どれほども伝わったと思えない」
「……腕もう離して……痛い」
「力入れてないよ?」
「痛いよ」
姉はずっとシーツを見つめたまま、こちらを見ようともしない。
「兄さんはこんな俺を多分軽蔑するだろうな。そういうちゃんとした人だから」
姉は何も反応しない。
「ねえ、姉さん……好きだよ。今、自分の中に姉さんがいるなんて、信じられないくらい幸せだ。本当。ずっとずっと好きで……ほんとに、ずっと好きだったんだから……」