太陽の竜と闇の青年
ゆっくりと重い瞼を持ち上げた。


けど、なぜか持ち上がらない。


あー……。


たぶん、泣き腫れているんだろう……。


昨日、結局どうなったんだろう。


ガチャッと音がして誰かがこちらに来る音がした。


「姫様、起きていますか?」


サクラだ。


私は必死に目を開けようとした。


でも、やっぱりあけれない。


だからかわりに口を開けようとしたけど、なぜかあかない。


……何で!?


すると、サクラと別の声がした。


「昨日、力を使いすぎたのでしょう。今日は我が主は身動き一つできませんよ。意識はあると思うので、しゃべってあげていてください」


その声は白虎だった。


「はい。わかりました。あの、よろしければ皆さんにも同じことを言っておいてください」


「御意」


白虎が部屋から出ていったのか、扉が小さな音をたてた。


パタパタとサクラの歩く音がする。


そして耳の側でサクラの声がした。


「姫様、お腹が減ったら言ってくださいね。わたし何でも作りますから。それともまだ寝ているのですか?」


私は右手と左手を持ち上げようとした。


けど、持ち上がらない。


うぅ……。


なんにもできない……。


体が錘をつけられたかのように重く、持ち上げることが出来ない。


何でだろう。


力って何の力なんだろう?


私はただ翡翠を持っていただけなのに。


いろいろ疑問に思うことはあった。


だけどそれは全部刺青に関係があるんだって分かっていた。


でも私はそれを分かりたくなかった。
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