太陽の竜と闇の青年
[壱]


風がフワフワと心地の良い部屋を作り出してくれた。


白いレースカーテンが踊っている。


その側にはずっと眠りについたままの白い顔。


俺はいつものように側にあった椅子に腰をかけた。


「元気か?」


いつものように話しかける。


「今日は特に何もないんだ。だから、ルウの側にいる。あぁ、フウはまた白虎と故とクラウドの武術指導だ。白虎がクラウドについて、フウが故についたから故は毎回文句を俺に言ってくるよ。それからラカとサクラだが、あの二人、結構いい雰囲気だ。そうそう、リクとカリナは毎日楽しそうだ。結婚式も無事に終わってよかったよ。そういえば、シャンリンが風国にお前のことを話に行った。久々の旅行だって言って楽しそうにしていた」


今日の一日の出来事を全部、全部話してやる。


しかし、ルウの表情はまた変わらなかった。


ルウが、反応をみせたのはあの手を握ってくれたのが最後だったろうか……。


いや、最後だった。


あれからルウはピクリとも動かなくなってしまった。


そして……。


「ルウ、刺青が完成してしまったらしい。昨日、白虎が言っていた」


ルウの刺青はとうとう完成してしまった。


不思議だけれども見栄えのある刺青。


「コレで顔も体も全体を隠さないといけなくなったな」


俺がハハッと笑ってルウにいうと、ルウは反応を返してくれない。


俺はルウの白銀の髪を触った。


「アレから一ヶ月も経ったのにルウの髪は伸びてもいない。ルウ、一体お前はそっちで何をしているんだ?」


俺の手から白銀の髪がサラサラと滑り落ちた。


俺はいつものようにルウの手をぎゅっと握った。


「ルウ、痩せたか……?」


ルウの手首を握った瞬間、俺は驚いた。


「ルウ、痩せたぞ」


俺がルウにそういうと、ルウは無表情でいる。


けれど、俺は話しかける。


「もっと食べたほうがいいんじゃないのか?」


そして、ルウはこういうんだ。


”そうかな?これでも結構食べてると思うんだけど”ってな。


そして、俺がこう言う。


「それ、この前も言ったよな?」


ってな。


そしたらルウは優しく微笑むんだ。


天使のような笑みを。
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