太陽の竜と闇の青年
「なにをそんなに怒ってんだい!ただ手合わせをしてみたらどうだい?ってアドバイスをしただけじゃないかい」


だけど俺にはそれが俺と壱との実力の差を感じろ、と言っているようにしか思えなかった。


それはもしかしたらシャンリンのニヤつく顔をみたかもしれないし、俺が壱の実力に恐怖を覚えているからかもしれない。


だが……。


「確かに……。俺も一度は壱と手合わせを願ってみたかったしな……」


一度は戦ってみたかった。


今まで出会った中でアレほど自分を制御できたりできなかったりしている人は初めてみたからだ。


壱の表情は無表情で何を考えているのか分からない。


だけど、心の中はぐっちゃぐちゃでどうやってその無表情をだしているのか分からないぐらいだった。


その顔を知りたくて俺は壱に手合わせを申し込んだ。


壱は俺に手合わせを申し込まれたのに驚いていたけど、また無表情に戻って剣に手を向けた。


「かまわない」


その声は低く、冷たかった。


と、我が主が慌ててベットから飛び降りた。


「私も行く!!ちょっと待ってて」


病人なのにそんなに急に動いても大丈夫なのだろうか?


俺は首を傾げた。


だけどすぐに我が主の変わったところを見つけた。


「我が主の髪がとても伸びていた」


言うつもりはなかったが、なぜか口からでていた。


俺の言葉を聞いた壱は軽くうなずいた。


「あぁ。かなり伸びてるな」
< 335 / 824 >

この作品をシェア

pagetop