太陽の竜と闇の青年
そして、俺はずっと壱に聞きたかったことを聞いてみたいと思った。


だから壱の目をまっすぐにみた。


壱も俺をまっすぐにみてくる。


血のように真っ赤な目で。


「我が主の目は視えないのか?」


俺がそうたずねると壱はガリガリと不器用そうに後頭部をかいた。


「うん」とも「いいえ」とも言ってくれない。


なぜか少し困った顔をしているだけだった。


だから俺はどれだけ我が主を大切にしたいかを言った。


言えば壱は絶対に教えてくれるからだ。


それに俺が我が主を大切にしたいと思う気持ちは嘘ではない。


「俺にとって大切なのは我が主だ。主がいなくなれば俺はここにいる理由がない。そして、俺の指令は我が主を守ることである。守る理由がなければ、俺は戦う必要などないのだ」


俺は自分の心に誓いながら言葉を発した。


壱は小さく微笑した。


けど、その微笑はすぐに消えて、我が主の消えていった扉へと顔が向けられる。


「お前も気づいたと思うが、ルウは目が視えていない。だけど、本人は視えていなくても困ることはない、と言っている」


壱はやっと言ってくれた。


俺を信じてくれたのか……。


なぜかそのことがうれしくもあり、少しこそばゆい感じもあった。
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