太陽の竜と闇の青年
[壱]


「なんっかおかしいんだよなぁ……」


フウが先ほどから同じ言葉を何回も繰り返して首を傾げている。


とうとう気になった俺は眉をひそめてフウをみた。


「何がだ?」


フウはうーん、とうなって俺を真っ正面からみた。


うん、やっぱりルウに少し似ているところがある。


だけど雰囲気はまったく似ていない。


フウは裏のブラックフウがいるからな。


「あのさ壱、気づいた?」


……?


俺が首を傾げるとフウは今度は白虎をみた。


「白虎は気づいた?」


白虎も眉をしかめる。


そしてクラウドと故をみた。


「クラウドと九尾は気づいた?」


クラウドも故も意味不明、という表情をうかべた。


結局フウは何が言いたいんだ?


フウは少しだけ声を落として俺たちに言った。


「ルウの様子がおかしいんだ」


ビクンッと俺と白虎の肩が跳ね上がる。


そんなことも知らずにフウは話を続けた。


「小さい頃からそうなんだけどさ、僕とルウって2ヶ月に1回は手合わせをするんだよね。まぁ、それがちょうど今日だったんだけど……。いつものルウは僕に本気を出せなんて言わないし、本気を出してくることもない。ルウは姉弟同士で戦うのは嫌いだからね。だけど今日に限って突然本気をだせ、って言ってきた。おかしいと思わない?」


俺と白虎はどう答えようか迷ったが、バカな故はふつうに答えた。


「フウ殿が少し成長したから少しは本気でいってもいいって思ったんじゃねぇの?」


しかし、フウは首を振った。


「いや、それはありえない。それに、ルウは病み上がりだよ?そんな無謀なことするはずがない」


チラッと白虎をみると、目を眇めてフウをみていた。


「ルウだって久々に本気でフウと戦ってみたかったんじゃないの?」


クラウドが故の後ろから顔をヒョイッとだして言った。


が、これにもフウは首を振る。


「それは絶対ありえない。ルウは夏が苦手だ。蒸し暑いのが一番嫌いだし。そんな日に本気で戦ったらシャツは濡れるし汗くさくなる。綺麗好きのルウは絶対にしないね」


スッとフウの目が俺と白虎へと向けられる。


「珍しく二人とも意見を言わないね。何か知ってるの?」


……ブラックフウ降臨か。


姉のこととなるとフウは少し恐ろしくなる。


とくに姉に傷一つでもつければアイツは相手を殺しかけないぐらいヤバイ。


うん、とにかくヤバイ。


白虎は肩をすくめた。
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