太陽の竜と闇の青年
「俺は壱と戦うのに疲れて何もわからなかった。それにフウが思っておるほど、俺は我が主に忠実でないのでな」


さすが白虎。


うまくかわしたな。


フウは疑いもなくふーん、とうなずいた。


俺に目を向ける。


「壱は何も知らないの?」


俺は白虎みたいに言い逃れはできないだろう。


「俺は今日一日中ルウを観察していたが、久しぶりの決闘に燃えたのではないかと考える。実際、終わったあとルウは楽しそうに笑っていたしな」


フウは俺と白虎を疑うこともなく、そっかぁー、とため息をついた。


「壱と白虎なら気づいてたと思ってたんだけどなぁ」


故が目を爛漫と輝かせてフウに聞いた。


「何々?フウ、何があったのさぁー」


故……。


それは聞くなよ……。


俺と白虎の思いも空しく、フウは口を開いた。


「んー……。もしかしたらさぁ、ルウ、目見えてないかもしれないんだよねぇ……」


故もクラウドも目を見張った。


やはり、フウは気づいたのか……。


まぁ、双子だからな……。


白虎は少し驚いたフリをして、すかさずたずねる。


「フウは何故そう思うのだ?」


フウはスッと手を顎にやり、顎をさすった。


「んー……。あー……。まぁ、まずおかしいと思ったのは杖なんだよね。ルウ、戦う前に杖持ってたじゃん?だから戦う時も杖持ってるのかなぁ?って思ったけど持ってなかったんだよね。だけど、戦った後には杖を持った。おかしいよね」


故は首をかしげた。


「何でだ?俺にはちっともおかしいと思えないぞ?だって試合に杖はじゃまだ。試合中に杖をのけるのは当たり前だ」


フウはその言葉に首を振った。


「うん。僕もそれは思った。だけど試合っていうのはすごーく激しい動きをするんだよ?その時に杖がいらなかったら、ふつうに歩くときなんて杖は邪魔になるだけじゃんか」


あぁ、なるほどー、と故とクラウドはうなずく。


俺と白虎は無表情にフウの解説を聞く。


「次におかしいと思った点はクラウドがルウに声をかけたときなぜかルウは僕をみて[クラウド、声変わりした?]って聞いてきたんだ。普段のルウは絶対に話し相手のほうをみる。だってルウには昔からそーゆー癖があるからね。それから普段のルウならクラウドの代わりように驚いて立ち上がって自分と身長を比べるはずだよ。昔は自分よりも小さかったクラウドが今では自分よりも大きくなってるんだから」


さすが双子というか……。


なんでもお見通しって感じだな……。


だけど、クラウドと故までにルウは心配かけたくないだろう。


ここは避けないと……。
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