太陽の竜と闇の青年
「マラン、二つ目の質問。ここはどういう国なのさ。入るときによく分からない人に[中心に塔が一本建ち、それが国の魂を支えている。真下にある集落には陽が当たらず、漏れる雨に苛まれている。人々は疑わない。それが当たり前だったから]って言われたし。これにはどういう意味があるの?」


フウがペラペラとよく動く口でマランに質問をすると、マランはあぁ、とうなずいた。


「俺もここに来たのは一ヶ月ほど前だったからまだよく分からないことが多いんだが、ここはミロス。嘆きの国だ。ここで産まれた者は生まれつき霊能力があってシャーマンを呼び寄せることができるんだ。だがシャーマンは嘆きをより一層深める。人を殺めるからな。しかもここはジメジメしているだろう?町の真ん中にあった塔があっただろ。あいつのせいでここに雨が降っているんだ。あいつさえ壊せば少しはマシになるかもしれないが、ここの町の奴らはあの塔を神聖な建物としているんだ。だから俺が壊そうと提案しても誰一人として賛成してくれなかったってわけ。人の心は周りの環境にも関わりがあるんだ。俺はきっとこのずっと降り続けている雨が人々を嘆きにやるんだと思っている」


そのときキッパリとした声が聞こえた。


「「チガウ」」


それはさっきまで弱々しく話していたアカツキとタタラだった。


「え?」


私がたずねると、アカツキとタタラはキッとこちらをニラ見つけて言った。


「アソコノトウニハ、シャーマンキングガイルンダ」


シャーマンキング……。


「シャーマンの王……?」


壱が眉をひそめてポツリとつぶやいたのを聞いて二人はうなずいた。


「シャーマンキングハ、ボクタチノマモリガミ」


「デモ、ザンコクナヒト」


「アソコノロウニハ、タクサンノヒトイル」


「デモ、タスケレナイ」


「シャーマンキングハ……」


「「カミダカラ」」


神。


その単語を聞いて私たちは身震いした。


「神って……それはちょっと大袈裟なんじゃない?」


フウが苦笑を浮かべて言ったけど、それは壱の言葉で一刀両断にされた。


「いや、神といってもおかしくないと俺は思う」


「何で?」


私が訪ねると、壱は手を広げた。


「この国は生まれつきシャーマンを持つものが多い。そのシャーマンの中にはタタラやアカツキのように強いシャーマンもいるはずだ。頭のいいシャーマンも。ふつうなら、そのシャーマンキングを殺せばこの国は明るくなるとわかりきっている。だが、殺せていない。つまりそれほどシャーマンキングは強いんだ。今回の国は少し厄介だぞ」


アカツキとタタラが壱を指さした。


「オマエ、キキワケイイ」


「モノワカリイイ」


壱はそれを聞いて苦笑を浮かべた。
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