太陽の竜と闇の青年
[壱]


「おぉ、おぉ。来ると思っていたよ」


マランは少し先の路地に煙草を吸いながら待っていた。


「やっぱり、一族の血は争えないってか。お前だけは違う匂いがしたんだよなぁ……。なんっつーか……[危険]っつーやつ?當間に会ったときも同じ匂いがしていたよ。アイツもお前もあぶねぇ匂いがする。まったく怖いねぇ暗殺者ってもんは」


俺はマランの隣に壁を背につけてたった。


「俺は暗殺者を止めた。だが……自分にこびりついてしまった血の匂いは消えないもんなんだな」


俺が自分の手を見つめているとマランがふぅーと煙草の煙を吐き出した。


「まぁ人を殺めることっつーのはいいことじゃねぇからな。だが……ルウとフウからも同じ匂いがうっすらとした。アイツ等にだけは血を殺すという感情を持たせたくなかったが……まぁ、無理だったっつーこったな」


マランの瞳が月の光で力強く光った。


「俺は思う。この世は腐ったままではいけない。この世界が腐っているからルウやフウの手が汚れていってしまう」


マランは煙草を足で踏みつぶした。


「なぁ……何で竜の民だってせいで嘲られ詰られるんだ?詰られたアイツ等の心は黒くなるばかりだ。それだけじゃない。アイツ等はただでさえ国という大きなものを背負っている。なのにこれまた世界というばかでかいもんを背負わせるつもりなのか!!この世界は汚れまくっている!!!」


俺はマランの怒号に少しだけ身をすくめた。


だけどマランはすぐに気を沈めた。


「あぁ。すまねぇな。おまえにキレたって意味がねぇことぐらい分かってんだけどよ……。まぁ、うん、悪い」


あっさりと謝られた俺はどうすればいいのか分からなくてとりあえずうなずいておいた。


「おまえ、ルウの足に金の鎖がついていたのみたことがあるか?」


俺はうなずいた。


幡国で戦ったときにみたことがある。
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