太陽の竜と闇の青年
「あれはな、俺が錬金術で作り上げたルウの刻破りが使えるようになるのを遅くするためのもんなんだ」


俺は驚いてマランをみた。


「本人はただの装飾品だと思っているだろうがな……。だけどアレももうただの装飾品だ」


俺はマランに一つの疑問を覚えた。


「なぜフウには金の鎖をあげなかったんだ?」


マランがパチンッと指を鳴らした。


「さっすが當間の息子。いいところに気がつくねぇ。ルウは特別に変化が早かったんだ。だからルウにだけ渡した。それによってルウはフウと同じくらいのスピードで刻印がでてきた。まぁ、よかったっちゃよかったのかねぇ」


二本目の煙草を吸い始めたマランを横目に俺は自分の手をまたみつめた。


「俺たちはルウにとっては頼りない存在なのだろうか?」


マランはフッと息を吸った。


「さぁなぁ……。だけどよ、ルウの考えは俺たちとズレている部分があるんだよな。自分を犠牲にすれば世界は変えられるって感じかな。でも俺たちは犠牲なしに世界を変えられるって思っている。でも俺はたまにルウの言うことが正しいと思ってしまう時がある。もしかしたらそれはルウとフウがそういう風に生きてきたからなのかもしれない。そういう風に言うのってよ、自分がそういう風な体験をしなければ分からないもんだろ?だからよ、こういう国に来たときフッとフウとルウのいうことが正しく思えてくるんだよ。そのズレが俺たちにはまだ分かれていない。だけど自分自身では分かっているから、自分だけを頼るんだよな。ルウもフウも……。そういう人生って悲しいよな」


そのときザッと人の歩く音がした。


マランが眉をよせ、俺に言った。


「ちょいみてくるわ」


俺が軽くうなずくと、マランはサッとかけだした。


そーいや、マランの帽子って脱げないな……。
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