太陽の竜と闇の青年
「なぜ……だ?」


俺は少しだけ冷静ぶって聞いてみた。


マランはテンガロンハットをクイッと持ち上げた。


「あの二人の過去は残酷だぞ。あいつらが何で今笑っていられるかわかるか?それほどつらい過去があったからだ。笑っていなければ自分がどうにかなってしまいそうで怖いんだよ。自分自身を殺しそうでな」


自分の手で自分を葬る……。


それがどれほど恐ろしいことなのか、暗殺者をしてきた俺にはわかった。


「アイツらの過去をみたら、自分が壊れそうになるぞ」


マランはトンッと俺の胸に拳銃をあてた。


「まぁみるのはかまわねぇが、自分で自分を殺すなよ。お前は責任深そうだからな」


マランはそういうと拳銃をポケットに突っ込み、路地からでていった。


「マラン!!」


俺が思わずマランを呼び止めると、マランは驚いた顔をしてこちらをみた。


「あ?何だ?」


「少し散歩をして帰る。遅れると伝えてくれ」


マランはニヤッと笑って軽く手をヒラヒラと振った。


マランが路地から消えたのをみて、俺は壁に背をつけて座り込んだ。
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