太陽の竜と闇の青年
「いーっち♪」


目の前にチョコンと座って俺の顔をのぞきこんでいたのはルウだった。


「どうしたの?大丈夫?」


スッと俺のおでこを触ってくるその手は冷たく、とても心地が良かった。


だけど……。


ルウの心の奥底では王族を嫌っている憎い心が存在している。


それはもしかしたら消えないものかもしれない。


だけどもし消えるものだとすれば……。


俺がそれを消してやりたい。


「ルウ……」


俺はグイッとルウの手を引っ張り、自分のほうに引き寄せた。


「うひゃぁ!!」


いきなり抱きつかれたのに驚いたのか、ルウは変な声を出した。


「なっ、な、どどどどうしたの?へ、変な夢でもみた?」


ルウがガチガチに噛みながらも俺を心配してくれた。


俺はルウの肩に顔をうずめた。


ルウの……太陽の匂いがした。


「んー……。何があったのかは知らないけどさ、いつでも何でも聞いてあげるからね」


ルウが幼い子供をあやすように俺の頭を撫でた。


それは……。


俺の言葉だ。


アレほど残酷なことをあんな幼い時にされたというのに、なぜこういう風に笑っていられるんだ。


俺にはそれが不思議でならない。


ルウは……。


すごく強い人なんだろう。


それに比べ俺は…………。


なんて弱い生き物なんだろうか。


「何でもない……」


ルウは小さく息をつくと、ニコッと笑った。


「ん。ならいいや。ご飯だって。マランが呼んでこいって言ったからさ。早く帰ろうよ。ちょっと寒いし、なんか怖い」


ルウが立ち上がったのをみて、俺もゆっくりと立ち上がった。
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