太陽の竜と闇の青年
「それにしても、マランが一緒にいるとは思ってもしていなかったぞ」


マランは深くため息をついた。


「ミロスで偶然にも会っちまったんだよ。あぁそういえば、ミロスの王にサラがなるんだってよ」


王の目がピクリと動いた。


「何故?」


ルウとフウも親子だから、というように王の前でぐだぁと座った上、敬語を使わなかった。


「んー……これ、僕たちが言ってもいいのかわかんないけどさー、兄上、シャーマンキングっていうシャーマンの中で一番強いシャーマン、チェンヂと契約結んだらしくてさ。それでミロスを自分の力でいい国にしよー!って言ってたよ」


フウはチェンヂで民を不幸にさらしていたことは言わなかった。


「そうそう。それでさ、サラ、フウに風国頼んだんだよね」


ルウがあはは!と笑ってフウの頭を撫でると、フウは頬をふくらませた。


「僕は兄上が継ぐのかと思ってたからまだまだ未熟ですよー」


冗談みたいにいう口調がおかしくて、俺たちは笑ってしまった。


「ところで、ルウ」


ルウは王に呼ばれて首を傾げた。


「はい?」


「許嫁はどうなったのだ?」


その瞬間、ルウが固まった。


しかも笑ったままというのがよけいに怖い。


それをみたフウはブッと噴出して王にいった。


「父上、ルウは蒼国の第一王子リクの告白を振ったのですよ。しかもリクは幡国の第一王女カリナと結婚したんですよ」


それを聞いた瞬間、王の顔が生真面目なものへと豹変したのだ。


ギャップありすぎだろ……。


俺がチラッとルウをみると、ルウは苦笑いとわかるほど顔をひきつらせて笑っていた。


「それはどういうことだルウ」


低い声にルウの顔は今にも泣き出しそうだった。


とうとう我慢ならなくなり、俺が口を開けようとしたときフウが挙手をした。


「はいはいはぁーい!!母上、父上、僕、推薦したい人がいるんです!!」


王と王妃はフウの言葉に首を傾げた。


今気づいたのだが、ルウと王妃の手首についている腕輪、似ている色でそっくりな形だ……。


まぁだからといってどうということはないんだがな。


俺がそんなことを思っていると、フウが俺を指さした。


「僕、ルウの許嫁は壱がいいと思うんです」


「「はぁ!?」」


俺とルウの言葉が見事にハモった。


俺たちは顔を合わせると少し困った顔をしてしまった。


確かにルウは大好きだがルウの意志が違ったらそれではルウが可哀想だ。


ルウが他の男にとられるのはシャクだが、ルウを悲しませることは絶対にしたくない。


そのとき王妃が立ち上がった。


俺の前に来ると座った。


王妃は俺にニッコリと笑った。
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