太陽の竜と闇の青年
「えっと……」


俺が戸惑っていると、王妃が口を開けた。


その声は透き通る声でとても気持ちのいい声だった。


「貴方からは悪い感じがしないわ。逆にルウも貴方といると楽しそうにみえるのよ。ね?ルウ。この方と一緒にいれば安心するでしょう?」


俺の隣にいたルウは突然話題をふっかけられて驚いていたが、嘘は絶対につけない性格のため正直に言った。


「えっ!?う、うん。壱の匂いは好きだし、話も合うから楽しいけど……。で、でも、ダメだよ!!」


な、何がダメなんだ!?


やっぱり、ルウには他に好きな人がいるのか!?


俺が表情には出さず、ウジウジしていると、王妃がニコニコと笑った。


あの気むずかしそうなハランがサンを好きになった理由が少しわかった気がした。


「ルウは貴方の気持ちが自分ではないと思っているのよね。だからダメと言っているのよね?」


ルウはコクコクとうなずいた。


……………………ん?


「それはつまり、俺に好きな人がいたらダメだということか?」


ルウはこれまたコクコクとうなずいた。


「だ、だって、壱にきちんと好きな人がいるんだったら、その人と結ばれないといけないよ!!私なんかじゃぜぇぇぇったいにダメ!特に私がいやなのは、なんかこれ攻略結婚みたいだもん……」


俺はそうか、とうなずいた。


それからルウをまっすぐにみた。


「つまり攻略結婚じゃなければいいということだな」


ルウは首を傾げつつもうなずいた。


俺はルウの手首をつかんだ。


ほっせぇ腕……。


そう思いながらも、俺は王妃をまっすぐにみた。


王妃は俺が何を言いたいのかわかっているのか、ずっとニコニコしている。


俺、ぜってぇこの人に嘘つけない……。


「ルウを貸してください」


王妃はこくりとうなずくと、俺とルウの背中をポンと押した。


俺はルウをグイッと引っ張って立たせると、早足に客室の間からでた。


途中、会う侍従たちに不思議に思われたかもしれないが、そんなの関係ない。


もう関係ない。
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