太陽の竜と闇の青年
「あらら~……」
マランが帽子を被り直しながらルウと壱がでていった扉をみた。
「ハラン。私、壱さんがルウの夫なら許せると思うの」
母上が父上に優しくそういうと、父上は顔をしかめた。
「だが、あやつからは血の臭いがした」
やっぱり父上にはわかったか。
ずっと暗殺者を続けてきた壱にはうっすらと血の臭いがする。
いや、普段臭っているわけじゃないんだけど、そんな感じがするんだ。
だけど……。
僕は思わず声をあげた。
「でも父上。壱はすっごいいい人なんだ。僕の悩みだって聞いてくれたし……。僕たちが竜の民だっていっても驚かなかった。竜の民だから何だ、そんな感じの目でみられたんだ。だから僕、あの人ならルウを任せてもいいかもしれないって思ったんだ。僕たちの銀髪をみて驚かなかった人間。多分ルウだって壱のおかげで助かったことが何百回とあると思う。それに壱はすっごい一途で、守ると決めたものは最後まで守り抜く人なんだ。ルウが倒れたときだって何ヶ月も一緒にいた。時間が空けばすぐにルウのところに飛んでいった。僕たちがいないときは必ず壱がいてくれた。もしかしたら旅にでてルウと一番長くいたのは僕じゃなくて壱なのかもしれない。ねぇ、父上、二人の結婚許してやってよ。壱以外の王族がルウを馬鹿にせずにずっと守ってくれるなんて考えられないんだ。壱は特別なんだよ。僕にとっても、なによりルウにとっても」
僕の話を聞いた王はうぅーん、とうなった。
そして、わし……、いや、俺、と言葉を続けた。
そう。
父上は客人の前では自分のことを「わし」というけど、僕たちの前では「俺」を使うのだ。
「まぁ俺も考えていたところだ。あやつは暗殺者だが、まったく悪い感じがなかった。王としての資格を持っている顔をしていた。きっと剣術も武術にも学力にも優れているであろう。ルウのあの楽しそうに話す姿は初めてみたしな……」
数秒黙っていると、父上がニコッと笑った。
「よかろう。俺はあやつが気に入った!!」
あっはっは!と豪快に笑う父上の後に僕たちはようやく事態が飲み込めて、母上とマランと父上で笑った。
ルウ。
絶対にルウは壱といれば幸せになれるよ。
その一歩を君は踏み出したんだ。
なぁ、お前もそう思うだろ?
もうルウも幸せになってもいいと思っているだろ?
アージュ。
マランが帽子を被り直しながらルウと壱がでていった扉をみた。
「ハラン。私、壱さんがルウの夫なら許せると思うの」
母上が父上に優しくそういうと、父上は顔をしかめた。
「だが、あやつからは血の臭いがした」
やっぱり父上にはわかったか。
ずっと暗殺者を続けてきた壱にはうっすらと血の臭いがする。
いや、普段臭っているわけじゃないんだけど、そんな感じがするんだ。
だけど……。
僕は思わず声をあげた。
「でも父上。壱はすっごいいい人なんだ。僕の悩みだって聞いてくれたし……。僕たちが竜の民だっていっても驚かなかった。竜の民だから何だ、そんな感じの目でみられたんだ。だから僕、あの人ならルウを任せてもいいかもしれないって思ったんだ。僕たちの銀髪をみて驚かなかった人間。多分ルウだって壱のおかげで助かったことが何百回とあると思う。それに壱はすっごい一途で、守ると決めたものは最後まで守り抜く人なんだ。ルウが倒れたときだって何ヶ月も一緒にいた。時間が空けばすぐにルウのところに飛んでいった。僕たちがいないときは必ず壱がいてくれた。もしかしたら旅にでてルウと一番長くいたのは僕じゃなくて壱なのかもしれない。ねぇ、父上、二人の結婚許してやってよ。壱以外の王族がルウを馬鹿にせずにずっと守ってくれるなんて考えられないんだ。壱は特別なんだよ。僕にとっても、なによりルウにとっても」
僕の話を聞いた王はうぅーん、とうなった。
そして、わし……、いや、俺、と言葉を続けた。
そう。
父上は客人の前では自分のことを「わし」というけど、僕たちの前では「俺」を使うのだ。
「まぁ俺も考えていたところだ。あやつは暗殺者だが、まったく悪い感じがなかった。王としての資格を持っている顔をしていた。きっと剣術も武術にも学力にも優れているであろう。ルウのあの楽しそうに話す姿は初めてみたしな……」
数秒黙っていると、父上がニコッと笑った。
「よかろう。俺はあやつが気に入った!!」
あっはっは!と豪快に笑う父上の後に僕たちはようやく事態が飲み込めて、母上とマランと父上で笑った。
ルウ。
絶対にルウは壱といれば幸せになれるよ。
その一歩を君は踏み出したんだ。
なぁ、お前もそう思うだろ?
もうルウも幸せになってもいいと思っているだろ?
アージュ。