太陽の竜と闇の青年
俺がお辞儀から顔をあげたとき、ルウが声を発した。


「私、式は和国でやりたい。風国はフウでやるといいよ」


俺がルウを凝視すると、ルウはニコッと笑った。


「ねっ?いいよね?」


俺が小さくうなずくと、フウがルウに声をかけた。


「ちょ、ちょっと待ってよー。僕の挙式って何のことさ。僕は何も言っていないよー!」


ルウの顔がニヤリと悪巧みを考えた幼子のようになった。


「フウ、ずぅっとテル探してたんだよねぇ。それに、父上とフウの”約束 ”っていうのは私に許嫁が見つけられたら平民の子と結婚してもいいかどうかっていうことでしょ?で、壱が私の許嫁になったから約束はフウの勝ちってこと。だからフウはテルと結婚できる。二組も一斉に挙式をあげるのは無理。だからといって、日にちを変えたとしてもお金が膨大にかかる。そう考えると、私が和国で式をあげたほうが効率がいいと思わない?」


すると、マランが指をパチンッ!とならした。


「さっすがルウ。天才並のご名答」


フウはマランを恨めしそうにみてため息をついた。


「あぁ!もう!仕方ないなぁ……。ほら、ルウ!そこまで分かったんなら一緒についてきてよ!テルとネロを探すよー!ついでに……」


チラッと俺をみたフウは小さく笑った。


「壱と結婚することをネロにしっかりと報告しないとね」


フウはしっかりを強調した。


ルウは首を傾げたものの、うなずいて笑った。


「そうだねぇ。ネロにもテルにもお世話になりまくったからね」


ルウが俺の手を引っ張った。


そのことがすごくうれしくて俺も微笑を浮かべてフウについていった。


手からはルウの温もりが感じられた。
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