太陽の竜と闇の青年
「ハヤト!行こう!」


私がハヤトの腹を蹴ると、ハヤトは高く嘶き、俊馬で轟かせたその足を動かした。


後ろを振り返ると、トウマも陽も揚々と着いてきていた。


「今ってどのあたりにいるのかな?」


私がフウに聞くと、フウは首を傾げた。


「さぁ?でも、たぶん鉄鋼所だと思うけど……」


いや、でも、と首を振った。


「もし、僕たちが帰っているって噂が流れたら、多分ネロとテルは裏山の小屋に行ってるかもしれない」


私はうなずいて、裏山を目指した。


ネロとテルは親離れして今は兄妹で一緒に過ごしている。


昔から私たちは裏山に遊びに行っていて、そこで偶然にもネロとテルに出会った。


それから仲良くなり、今ではかけがえのない存在へと変わっていた。


でも!!!!!!!!


私はネロが少し苦手だ。


いっつもいっつもいじめられるもん。


多分……、


「今回もイジメられるかなぁ……」


私がポツリとつぶやくと、壱は首を傾げ、フウはブッと噴いた。


「誰にイジメられるんだ?」


「ネロに」


「なぜイジメられるんだ?」


「わかんない」


「……」


壱は少し困った顔になった。


それをみたフウが小さく笑いながら答えた。


「ネロは昔っからルウをイジメるのが好きなんだ。僕はなんでネロがルウをイジメちゃうのかわかるけどさ、本人はまったくわかってないんだよねー。まったく、ネロもつくづく運のない奴だよー。でも平民の間ではカッコイイって評判で、しかも、平民の娘には声もかけたりしないんだよ。だから平民の娘の間ではクールなイケメンボーイで通っているらしいよ。なぜかルウの前ではまったく違う人にかわっちゃうんだよねー」


そのとき壱の眉がピクッと動いた。


そして深くため息をついていた。


「どうしたの?」


私が顔をのぞき込むようにして壱の顔をみると、壱は首を横に振った。


「なんでもない」


その隣でニヤニヤしているフウの顔が無償に気になった。
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