太陽の竜と闇の青年
部屋に入ってきたフィンドに首を傾げた。


「もう用事はすんだの?」


フィンドは曖昧にうなずいた。


私が不思議に思っていると、フィンドは首をコキコキとならした。


「まぁ、そんなにすごいことじゃなかったよ。ところで、もう体に入りたいのだが……」


私が軽くうなずいた瞬間、フィンドの姿は部屋から消えていた。


しかも、声をかけても返事が返ってこなかった。


「疲れて寝てるのかな……?」


だけど、何をそんなにしたんだろうか……。


私が部屋で一人首を傾げたとき、バンッ!と扉があいた。


またマランかと思って扉に目をやると、白虎が汗だくになりながらもたっていた。


「どうしたの!?」


フィンドといい、白虎といい、今日は不思議な日だ。


白虎は服で汗を拭うと、私の目を真っ直ぐにみた。


「我が主。俺は……ずっとずっと我が主に仕えていきます。たとえ自分の命がなくなったとしても」


突然のことに唖然としていると、白虎はフゥッと息を吐いた。


「我が主の心の中は不安で埋め尽くされていることでしょう。ジャリスのことでずっと悩んでいるのでしょう。もしかしたら、その悩みを解決するのは壱のほうがいいのかもしれません。だから、俺はその悩みを聞くことはできません。ですが……俺は我が主を護ることはできるのです。ですから、俺は我が主が何と言おうと、命を賭けてでも我が主を護ってみせます」


私はしばらくの間黙っていた。


だけど、ゆっくりと手をのばして、白虎の頭をガシガシと撫でた。


「一丁前にカッコイイこと言ってくれるねぇ。あははは。わかったよ。助けが必要なときは頼むよ」


私の返事を聞いた白虎は満足そうな顔をした。


私もニコッと笑ったそのとき、突然耳鳴りがした。


しかも、耳に激痛が走るほどの耳鳴りだった。


「……!?」


私と白虎は耳をおさえて倒れ込んだ。


私の耳はまだ聞こえない。


だから、外部からの音ではない。


誰かが意図的にやっているとしか考えられない。


だけど……。


誰が……?
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