太陽の竜と闇の青年
コツコツという靴音が聞こえる。


大理石の廊下はよく音が響く。


「今日はせっかく来てくれたのにナナが失礼なことをしたな……」


トオタは真っ直ぐ前を見据えて私たちに謝罪した。


私とフウは首を横に振った。


「いやいや、とんでもないよ」


「うん。それに昔よりかはイラつかなかったしねー」


トオタはフッと微笑した。


「あぁ……。驚いたよ。昔と今の二人はまったく違うからな。角がとれて丸まっている。風国で一体何があったのかはわからないけど、さすがシェイとサラだな」


私とフウは苦笑いを浮かべた。


「まぁ確かにあの能天気な二人に助けられたことは何百回とあるけどねー」


「あの二人が丸かったおかげで私たちも苛つかなかったようなもんだし……」


そこでトオタが首をコキコキとならした。


「まぁ、確かに……あの二人は毎日能天気なくせにきちんとする時はきちんとするし、正確なことを伝えてくるからな。頭が悪いのか良いのかよくわからねぇんだよ」


私とフウは確かにーと言って笑った。


「で、風国は住みやすいか?」


私とフウは同時にうなずいた。


それをみたトオタは微笑した。


「そうか。それならよかった」


少し肌寒くなってきたころ、大理石の扉が目の前に現れてきた。


「さぁ、ついた」


トオタは鍵をかけた。


ガガガッという音がしてゆっくりと扉が開かれる。


この中にルイ王子が眠ってる。


扉が開かれた瞬間、目の前が真っ白になった。


「眩し……」


フウが目を眇めた。


私もあまりのまぶしさに少しだけ驚いた。


トオタは慣れているのか、スタスタと扉の中に入っていく。


私たちも慌てて追いかけた。


そして絶句した。
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