太陽の竜と闇の青年
部屋の中はガラス張りの天井になっており、部屋には光が注ぎ込んでいた。


だからなのか、それとも自分で栽培したのか、花や草が育っている。


サワサワと心地よい音を奏で、楽しそうに揺れていた。


しかも、どこからか気持ちの良い風が吹いていた。


その風が私とフウのターバンを揺らし、トオタの髪を撫でた。


部屋の中心に二つの墓が立っていた。


その墓を守るかのように一本の大きな大樹が墓の後ろに立っていた。


大樹の葉が墓の上にヒラリと舞い落ちた。


私とフウはその二つの墓に近づいた。


トオタは木に背をつけた。


「兄上とルイの母親、カナンの墓だ。二人は隣で眠っていたほうがいいだろうと思ってな……。兄上は母親を何よりも大事にしていたから。俺は知っていたんだ。兄上が毎晩毎晩母上の墓に行っては王になると言っていたのを」


私たちは墓の前に座り、目を伏せた。


[君が僕たちの妹になった者か!整った顔をしているな]


[君たちが悪いのではないんだよ。ナナが失礼なことをしたね]


[父上の無礼、深く詫びたい]


今思えば、ルイは私たちに何かと謝っていた。


それは自分の非ではなく、他人の非を私たちに謝っていた。


そのときは、ルイじゃなくて自分で言いにこればいいのにと思っていたけど全然違うかった。


ルイは他の人は絶対に私たちに謝らないってわかっていたからかわりに自分が謝ることにしたんだ。


そういえば、私たちが新国にいた中で私たちに頭を下げたのってルイだけだったなぁ……。


何で今更になってそんなことを思うんだろう。


もう遅いのに……。


そのとき、


「笑うんだ」


そう言ったルイの声が聞こえた。


ハッとして顔をあげると、大樹の葉がザァーと騒いだ。


強い風がターバンを揺らす。


私は天に向かって笑った。


「ありがとう」


私の様子をみていたトオタとフウが首を傾げた。


私は二人の顔をみてニコッと笑った。
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