太陽の竜と闇の青年
[壱]


「ですが……!」


そのとき扉がバンッと開かれた。


俺たちが驚いて扉をみると、一人の兵隊が慌てて入ってきた。


「どうしたのです!!」


ナナがヒステリックのように叫んだとき、奥の部屋から三人が出てきた。


「あ!トオタ様!!襲撃です!!城に賊が襲撃してきました!!」


トオタは一瞬だけ目を見張ったが、すぐにキリッとした顔になると皆に指示を出した。


「第2部隊!!門で待ちかまえておけ!いいか、もし逃げようとしても逃がすなよ!第3部隊と4部隊は庭園に行くんだ!城の中には入っていまい!第1部隊は城内の捜索にとりかかれ!見つかり次第、捕まえてもいいことを了承する!!さぁ!行け!!!」


さきほどの、のんびり感はどこへ言ったのか、トオタの顔は引き締まった。


それに比べルウとフウは楽しそうに笑っていた。


「え?何々?争いごと?」


「えっ!じゃぁー僕も行きたいなぁー……。ダメー?」


トオタはフウのうるうるとした目を無視して剣に手をかざした。


「一人ぐらい殺れるだろうよ」


俺たちが首を傾げたとき、窓ガラスが破れて数人の男が入ってきた。


「なぜです!城内にも、城外にも兵がまちかまえていたはずでは……」


トオタはフッと小さく笑った。


「ナナ、賊には兵なんてたやすいもんなんだよ」


賊たちは腹に腹巻きをしていて、安っぽい服を着ていた。


「ね、これってさぁ……。僕たちが殺っても文句はないってことだよね?」


フウがニコニコして言った。


トオタは小さくため息をつくとうなずいた。


「あぁ。だが、殺しはするなよ」


フウはこくりとうなずくと、ニヤッと笑い、大柄な男に向かって走った。


それを合図にトオタもど真ん中に入っていく。


「あー……んー……えー……私はどうしよっかな」


ルウは目をパチクリとさせ、フウとトオタをみて苦笑いになり俺に訪ねてきた。


俺も分からないから首を傾げた。


が、俺とルウは剣を鞘から取り出し後ろを振り返った。


相手の喉元でピラリと俺たちの剣はとまった。


男は一瞬目を白黒させたがすぐに状況を飲み込めたのか、剣が手から滑り落ちた。


「テル。この剣拾ってくれる?」


テルはこくこくとうなずくと、恐る恐る手をのばして剣をとった。


ナナはというと、呆然と今の状況をみるしかなかった。
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