太陽の竜と闇の青年
男を縄でつないだとき弓矢が飛んできた。


「うひゃぁ!」


ルウは剣を振って弓矢を折った。


しかし……。


「どこで打ってるの!?」


そう。


弓矢を持った者など見当たらない。


しかも、ルウに正確に向かっていた。


こんなことができるのは……アイツしかいない。


「有言!!!!俺だ!!壱だ!!!!」


俺がそう叫ぶとピタリと皆の攻撃が止まった。


俺たちが首を傾げると、賊たちは剣を鞘におさめた。


「ま、まさか、あんた有言を知っているのか?」


髭の生えた男がワナワナと震えながら聞いてきた。


俺はうなずく。


「いるんだろう?有言が」


賊たちがどうしようかと目をうろちょろさせたとき、上から人が降ってきた。


俺と同じ黒装束の服をきた男。


その目は俺と違って和国の茶色の目だった。


有言は口元の布を下にさげて顔を露わにした。


有言はかなり整った顔をしている。


だからか、見ほれてしまう部分があった。


「うわぁ!茶色い目だ!綺麗だなぁー……」


ルウはおそれもせずに有言の目をみて騒いでいた。


確かに和国以外では茶色の目は珍しい。


有言は眉をひそめた。


隣にいたフウがボソッと呟いた。


「有言ってさ、壱に少し似てるね」


俺は微笑を浮かべた。


そりゃそうだ。


ずっと俺と仕事をしていたし、第一印象から俺に近い人間だった。


有言はルウを無視して俺のところに歩いてきた。


「あんたがいるとは計算外だ」


俺は微笑を浮かべる。


「俺は計算外のことをするのが得意でね」


有言はジッと俺の目をみると、小さく首を振った。


「今の私にあんたは殺せない。今日は一旦退こう」


俺はヒラヒラと手を振った。


「あぁ。そうしておいたほうがいい。俺も今日は人を殺す気分はないからな」


有言はさっきよりも強くジッと俺をみた。


目力強いんだよ……。


俺は小さく舌打ちした。


それと同時に有言はうなずいた。


「あぁ。そうしておこう」


首を小さく振ると一瞬にして消えてしまった。


アイツまた暗殺の腕あげたか……?


ハッとして後ろを振り返ると、きっちり縛っていたはずの賊たちも縄を易々と解き、逃げていった。


その行動をみたトオタは呆然としていた。
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