太陽の竜と闇の青年
「すまない」


壱がトオタに深く頭を下げるのをみて、トオタは慌てて手を振った。


「いやいや!君のせいじゃないよ!俺たちの警護にも非がある。それにルウの夫の友達となれば、どっちみち俺は逃がしていただろうしね」


壱は眉をひそめた。


「確かに友達といえば友達だが……」


トオタはそれをきいてニヒッと笑った。


「ならいいんだよ。さ!この話はこれで終わりだ!今日は夕御飯はここで食べていくか?」


私とフウは笑ってトオタの誘いを断った。


「いや、今日はもう戻るよ。貿易商認証をもらいに来ただけだし。それにルイにも挨拶できたしね。ちょっとの間しかいれなかったけど楽しかったよ」


「ルウの言うとおりだ。それに僕たち、父上にさっさと帰ってこいって言われているし。また来れるしね」


また、ねぇ……。


私はまた来れるか微妙だけどね。


私はニコニコと笑ってうなずいた。


トオタは少し残念そうな顔をしたけど、すぐに笑顔に戻った。


「そうか。それなら仕方ないな」


私たちがうんうんとうなずいて立ち上がると、トオタが手を併せて何かを願った。


「これからそなたたちの行く道に幸運が訪れることを」


私たちは微笑を浮かべて、城からでていった。


トオタはもうルイの死から立ち直っている。


私たちも前へ前へ進まないと。


私はまっすぐ前を見据えた。


例え自分の命が無くなったと分かったとしても、私は強く生きてみせよう。


自分の行くままに。
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