太陽の竜と闇の青年
「おじさぁぁぁぁん!!」


私はお店に入ったと同時におじさんに抱きついた。


おじさんは豪快に笑う。


「あっはっは!!常連さんが和国の第一王子だった上、お嬢ちゃんは風国の第一王女だったのかい!どうりでべっぴんさんだと思ったよ!」


私と壱が苦笑いを浮かべる。


「ところで今日はどうしたんだい?」


私はおじさんの和菓子を指さした。


「和菓子を買いにきたんだよ。ね、オススメはどれ?」


おじさんは快くオススメを紹介してくれた上、二つ饅頭をおまけしてくれた。


私たちはその和菓子を外にあった椅子に座ってのんびりと話をしながら食べた後、桜道という桜の木がたくさん生えている道を歩いた。


だけど、ここが運のつきだった。


壱が突然ピタリと足を止めた。


私は不思議に思って壱をみた。


壱は少し驚いた顔で前を凝視していた。


「どうしたの?」


私がそう壱に訪ねたとき、フワッと花の少しきついにおいがした。


そして、私の目は驚きで見開かれた。


「い・ち・さ・まーーーーーーーーーー!!!!!!!」


そう、誰かが壱に抱きついたのだ!!


私は放心状態になりながらも必死で状況を飲み込もうと頑張った。


つまりこれは浮気か!?


って、んなわけないか。


私は一人ツッコミをいれて、とにかく女の人をみた。


薄いピンクの花びらが散らばっている着物をきていて、黒髪で頬はうっすらとピンクに染まっていた。


その目はまん丸で真っ黒だった。


うん、可愛い。


そう思った。


美人というよりも可愛かった。


だけど、壱の顔は歪んでいた。


「離せ、華」


壱はしがみついている華、と呼んだ女の子をひっぺがそうとした。


けれど、華は壱の首から腕を離さない。


壱は少し困った顔で私をみる。


それぐらいで怒らないのに。


私はそう思いつつも肩を竦めた。


壱は眉をひそめる。


が、そのとき……。


「華!!何してんだよ!」


男の人の声が花道に聞こえた。


私が前をみると、濃い青色の着物をきた男の人が苛ついた顔で華をにらんでいた。


その目は切れ長で髪は短く、黒色だった。


「支癸!」


壱が驚いた顔をした。


支癸っていうんだ。


支癸は強引に華を引きはがそうとして、華の足を引っ張った。
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