太陽の竜と闇の青年
だけど、華は


「嫌!やめて!」


そう叫んで足で支癸を蹴った。


支癸はそのまま転ぶ。


派手に転んだのをみた私はなんだか居たたまれなくなってしまい、支癸に近づいた。


支癸の手をとって、グイッと引っ張った。


「大丈夫?」


立ち上がった支癸の顔をのぞき込んで訪ねると、支癸は私を凝視してフイと顔を逸らした。


……感じ悪っ!!


何だこいつ!!


せっかく人が助けてあげたっていうのにさ!


「華。いい加減離せ。暑い」


壱が鬱陶しそうに華にいうと、渋々華は壱から退いた。


そして、壱をまっすぐにみる。


私なんて眼中にないかのように。


壱が私をチラッとみたけど、私は何で壱がこっちをみるのか意味分からず首を傾げるだけだった。


「壱様!華に会いに来てくれたんだよね。華はうれしゅうございます!華はずーーっと毎日毎日壱様を想っていたんだもん!」


は、華、結構過激ですね……。


私が一人で苦笑いを浮かべていると、壱が深くため息をついた。


「悪いが、華。俺はおまえのことを忘れていた」


直球ですな!!


私は驚いて壱をみた。


けれども、華はあきらめない。


「でも、今さっき思い出してくれたんだよね!それだけで華は十分♪」


呆れてものがいえないっていうのはこのことなのかな?


私は自問自答しながらも二人の会話を聞いていた。


「っとに華は壱が好きすぎるんだよ」


隣でポツリとつぶやいた支癸の声に私は耳を傾けた。


「そうなんだ」


私が声を発すると、支癸の肩がビクン!と飛び跳ねた。


「んなっ!!」


私は微笑を浮かべる。


「一人で話すよりも二人で話した方が楽しいと思うんだけど……」


支癸はまたフイッと私から顔を逸らすと、口を閉ざした。


私もあきらめて二人をみる。
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