太陽の竜と闇の青年
けど……。


「華は壱に求婚を申し込んだんだ。すぐに丁寧に壱本人に断られたけどな。でも、華は未練たらたらなんだ」


突然話してきたことに驚きながらも私は相づちをうった。


「ふーん」


支癸はチラッと私をみた。


「俺は白星支癸。で、妹が白星華。おまえは?」


私はターバンをスルスルとほどいた。


「私はウィン=ルウ。風国の人で竜の民なんだ」


支癸の顔が驚きのものへと変わった。


「風国!?」


って、ん?


つっこむところって風国ってところなの?


私が首を傾げると、支癸は興味深そうに私をみた。


「そうか……。他国は髪の色が赤や緑などあると聞いていた。お前は白銀の髪か……」


あぁそっか。


和国は鎖国していたから竜の民とか怖がらないんだっけ。


だから和国はすみやすかったんだ。


じゃターバンは必要ないなぁ……。


私はターバンを腰に巻いた。


「それにしても、女のくせに何故ズボンなど穿いているんだ?」


支癸が私のズボンを指さした。


少しブカッとしているズボンは私にとっては一番の服だった。


「動きやすいようにしているんだよ。何でも、風国では命をねらわれやすかったからね」


微笑を浮かべると、支癸はガリガリと後頭部をかいた。


「……そうか。それにしてもその刺青は誰が彫ったんだ?かなり上手だな」


私は自分の顔に触れた。


「それは内緒」


ニヒッと意地悪そうに笑うと、支癸は目をウロチョロ動かした。


その時、グイッと腕を引っ張られた。


「うわっ!」


私は転びそうになった。


それを支えたのは私の腕を引っ張った壱だった。


「ど、どうしたの!?」


私が驚いて壱に訪ねると、壱はムスッとした顔で支癸をみた。


「何でもない」


華の驚いた顔と支癸の驚いた顔を私は目の当たりにする。


初めに声を発したのは華だった。


「い、壱様!!今さっき、その女の人の腕を自ら引っ張ったの!?」


壱はすぐにうなずく。


「あぁ。ルウだしな」


華はキッと私をにらんだ。


えっと~……。


私は何もしてないぞ!?


睨むなら何かしてきた壱でしょ!!


華は私にズカズカと近づいてきた。


私と壱の腕をグイッと離すと、私に言った。


「あなたは壱様の何の!?華の壱様にさわらないで!!」


私は少しだけ困って頬をかいた。


風国の王女とも言いにくいしなぁ……。


っていうか、


「壱にとって私って何なんだろう?」


私が首を傾げると、壱が微笑を浮かべた。


「俺にとってルウは世界で一番大切な存在だぞ?」


何か照れるなぁ……。


私はニコニコと笑った。


が、私の笑顔はすぐに消し去る。
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