太陽の竜と闇の青年
華の顔が……。


お、恐ろしい!!!!!


今までみてきた人の怒った顔の中で一番恐ろしい!!


「壱様に何ってことを言わせているの!!壱様はそんな甘いことを一つも言わないクールな男性なの!あなたは壱様に強制的に言わせているだけ!華の壱様に!!」


私は苦笑いを浮かべる。


本当に華って壱が好きなんだなぁ……。


私はぎゅーーっと壱の腕を両腕で抱いている華をみた。


そろそろ私も我慢の限界がくるかもしれないな。


いつまでも壱を渡しているほど私はお人好しではない。


「んーっと……。んじゃ私も言わせてもらおうか。壱は、私の大好きな人で大事な人なんだ。だから、壱は返してほしいな」


優しく笑って華にいうと、華はもっと力強く腕を抱きしめた。


壱は腕が痛いのか、顔をしかめたけど、私と目が合った途端、あの甘い笑いを浮かべた。


その顔、反則だってば……。


「そ、そんなんだったら華だって壱様は大好きで大切な人だもん!!」


ん~……。


この子ちょっと扱いずらい。


そのとき、ポンッと肩に手を置かれた。


振り返ると、呆れ顔で自分の妹をみている支癸がいた。


「俺も手をかそう」


私は小さく笑ってうなずいた。


「うん。ありがとう。私じゃ、華は扱いにくいから」


支癸は私の隣にたって華を説得させた。


「華!口答えはいいからさっさとこっちにこい」


華はそれでも壱の手を離さない。


「いいか?華。お前の大切とルウと壱の大切は違うんだ。これからお前が壱を思い続けてもお前の大切だけが散っていくだけだぞ!」


華は驚愕の顔をした。


「嘘!!華の恋は散っちゃうの!?壱様の好きな人は華ではないの!?」


華にみられた壱はツイッと目を私へと動かした。


華の目も私へと移る。


優しい目と恐ろしい目が向けられる。


嬉しいのか嬉しくないのか……。


複雑なところだ。


そんなことを暢気に考えていると、華がパッと壱から手を離して私のほうへと歩いてきた。


「あなたの名前は何っていうの!」


私は小さく笑う。


「私はウィン=ルウ。よろしくね」


華はフンッ!と鼻を鳴らすと、私をジロジロとみた。


「ほそっこい体で貧弱な胸。それにあなたの髪色も目の色もすべて和国ではおかしな色。和国は茶髪か黒髪で黒目か茶色の目が一番和風なのに。壱様、華、この人のいいところが分からない!」


ひ、貧弱な胸って……。


結構ショック受けるんだけど……。
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