太陽の竜と闇の青年
[壱]


ルウの息づかいが荒くなったことに気づいた俺は、ルウを支えていた。


ルウが俺にもたれ掛かってくる。


どうしたというんだ?


俺が眉をひそめてルウをみたとき、ルウの顔が持ち上げられた。


その目は、真っ赤な色だった。


「……フィンド」


俺はフィンドの名前を呼んだ。


けれど、フィンドは首を振った。


「違う。私はまだフィンドじゃない。フィンドの力を借りているだけだよ」


確かに真っ赤な目をしているけど、太陽の模様は描かれていなかった。


ルウはゆっくり俺から離れると、一瞬にして華の首を絞めた。


「……あんたか?」


グググとルウの手に力が込められる。


華は苦しそうに顔を歪めた。


俺はルウを止めようと足を踏み出した。


「ルウ、やめろ。まず事情を説明してくれ」


俺がルウの肩に手をつけると、ルウはゆっくりと俺を振り返った。


額には大量の汗が流れている。


どうしたんだ……?


「ルウ、どうしたんだ?」


俺が眉をひそめてたずねると、華がニヤッと笑った。


「華が魔術をかけたの♪この人の体にはとーっても悪い悪者がいるから。きっと壱様もこの人の体にいる悪者に操られているの!だから華が助けてあげるの」


俺は華を凝視した。


華が言っているのはきっとフィンドのことだろう。


フィンドはルウの契約者だ。


フィンドの痛みはルウの痛みでもある。


だからこんなにもつらそうなのか。


「華!!やめろ!!!!」


華は首を傾げた。


「何で?だって壱様を縛っているのはこの悪者でしょ?」


華がニヤッと不気味に笑ったそのとき、ガンッと後頭部を殴られた。


……くそっ。


やられた。


ルウが驚きの顔をして俺をみていた。


そして、ルウは支癸につれられていった。


「壱様?壱様は華のもの。だから誰にもあげられないの♪きっと壱様もそれを望んでいるから」
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