太陽の竜と闇の青年
私は階段を見つけると、すぐに降りた。


カビ臭い匂いが私の鼻をつく。


そのとき、白色の翡翠が光った。


「我が主、乗ってください!」


まぶしい光と共に現れたのは動物の姿の白虎だった。


「うん!」


私はバッと白虎の背中に飛び乗った。


私がしっかりと捕まったのを確認して、白虎はかなりの速度で階段を駆け降りた。


「他の三人は!?」


私が大きな声で聞くと、白虎は喉をならした。


「きちんといます。フィンドにはこの屋敷はしんどい場所かもしれませんが、俺たち神にとってこんな屋敷の術式など効きません。ですが、この階段は青竜様にとっては狭く、玄武様は海がなければ戦えない。朱雀様にとっては天井が低すぎます。そうなれば、俺がでるしかないということになったのです」


なるほど……。


さすが白虎だ。


頼りになるなぁ……。


今思うと、四神の中で一番助けてくれているのって、白虎だ。


「我が主の残りの時間は幸せの物でないといけません。もし、不幸せな物であれば、俺がいる理由なんてひとかけらもありません。だからこそ、俺は我が主の味方につくのです」


なぜか白虎の言葉がとても悲しく聞こえた。


「白虎……あなた……」


私が言葉を紡ごうとしたとき、白虎が階段を飛び降りた。


「さぁつきましたよ。俺もついて行きます。壱は俺たちにとっても必要不可欠な存在ですから」


私は言いたい言葉を飲み込んだ。


そうだ。


今は壱を助けることだけを考えればいいんだ。


私はゆっくりと扉を開けた。


中に入った途端、息を飲み込んだ。
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