太陽の竜と闇の青年
「あら、さすがのあなたも降参?」


あははと笑いながら不敵に笑う華をみた私は鎌を終った。


というか、消させた。


そして、大きくて赤い左手で華の喉を掴んだ。


さすがに華の喉を掴むとは予想していなかったのか、有言たちの行動が少しだけ遅れた。


フィンドの体力にとって、その少しで上等だった。


私は華の喉を掴んだまま有言の攻撃を避け、華を壁に押しつけた。


「く……るし……」


華がうめき声をあげた。


華の首にフィンドの長い爪をあてた。


ツーと真っ赤な血が流れる。


その血をみた私は少しだけゾクゾクした。


きっとフィンドが興奮しているんだろう。


だけど、華を殺すわけにはいかない。


シャーマンとは違って二度と戻ってこれない者だから。


私は華の耳に口を近づけた。


「残念だけど……私もあんたに壱を渡すわけにはいかないんだ。私には時間がないからね」


そのとき、ヒュンッ!と短剣が投げられる音がした。


「白虎」


私がそう呼ぶと、白虎が人間へと変わって短剣を自分の剣で突き落とした。


「俺は我が主に忠実なもんでね」


私はググッと華の首を締め付けていく。


「ねぇ……壱を返してもらえないかな?」


私の腕にも血がツーと流れた。


そのとき、腕がビクンッと脈打った。


「暴れるな。馬鹿」


私はフィンドに言い聞かせた。


二、三回脈を打つと、フィンドは落ち着いた。


「ね……、私には時間がないんだよ。頼むからさ」
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