太陽の竜と闇の青年
☆有言☆


「やることはやった。報酬はしっかりと貰うぞ」


私がそう女を見据えて言うと、女はガクガクとうなずいて私たちに袋を渡してきた。


それを持ったのはファーナスだった。


「ありがとさん☆」


ファーナスはお人好しな顔で女に笑顔でお礼を言った。


「それにしてもよー有言が見過ごしてやるなんて珍しいよなぁ」


珂屡が帰っている途中に私にそう話をふっかけてきた。


この話題にファーナスものっかる。


「うんうん。有言は空気中に漂うが如く存在するが、その能力は不明って言われるほど天才的な能力を持っているのにね。普段だったら、あの子ぐらいプチッと潰せたんじゃないの?」


私は自分の手を見つめた。


そう。


殺そうとは思った。


だけど、あの人の目をみた時、殺さないほうがいいと思った。


「私でも……分からない」


珂屡が首を傾げた。


「有言にも分からないことなんてあるんだね」


「それにしてもさ!あの子、可愛い顔してたけど髪は白銀の髪だったし、変な模様の刺青を体中にいれているして不思議な子だったよね。不思議な力も使っていたしさ!」


ファーナスが言うとおり、あの人は不思議な能力を持っていた。


だけど、アレは生まれつき備わった才能ではない。


凡人が努力してできた才能だ。


でなければ、あんな笑い方しないはずだ。


あんな……悲しいような、嬉しいような複雑の笑い方…。


何が一体あの人の心を闇に染まらせていくんだ……。



「有言、またあの人たちに会えるといいね」


珂屡が私の顔をのぞき込んできた。


私はうなずくだけにしておいた。
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