太陽の竜と闇の青年
「……」


壱は黙って私たちの顔色を伺った。


だが、すぐにため息をついた。


「仕方ない……。一度、ルウに会ってみるか?」


私たちは壱を凝視した。


そういわれるとは考えていなかったからだ。


「壱師匠。それどういう意味?」


愁が少しパニックになった頭で壱に問いかけた。


壱は肩を小さく竦めた。


「お前等はそんなに頭が悪かったか?まんまの意味だよ」


ファーナスは身を乗り出した。


「だ、だけど、おいらたちはルウさんに会ってどうすればいいの?」


壱はゆっくりと立ち上がった。


「どうすればいいってそのままでいればいいんだよ。俺がこんなになったのも……すべてルウのおかげだしな」


壱は扉を開けて外にでた。


陽が夕日へと変わっていた。


壱は小さく舌打ちをすると、私たちを振り返った。


「早く来いよ」


そういうと、壱はさっさと屋根上まであがってしまった。


さすがだ……。


体は鈍っていないらしい。


私たちも慌てて壱の後を追いかけた。
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