太陽の竜と闇の青年
そのとき、私の翡翠から白虎がでてきた。


皆、突然の白虎に驚いた顔をしていたけど、私と壱は慣れてるからそんなに驚かなかった。


最近では四神たちが夜翡翠から出てくることが多かったし。


白虎は有言たちに気がつくと、ピタッと足を止めた。


「あぁ……。すみません。お邪魔でしたか」


言葉では謝罪しているけど、有言たちを警戒しているのがよくわかった。


「大丈夫だよ。白虎。この人たちは前みたいなことはしないから。だってアレは華たちのせいでしょう?」


私がニッコリと笑って有言たちに聞くと、有言たちは目を見開いた。


「何故、わかったんだ……」


何故っていってもなぁ……。


「君たちが壱を殺そうとしている人だとは見えなかったからかなぁ?暗殺者は恩人を殺そうとは絶対にしない。もし殺さないといけないときは自殺行為をするはずだ。それほどプライドの高い暗殺者が易々と師匠を殺したりはしないでしょう?だとすれば、誰かが君たちを脅しているってことになるわけ。そしたら、考えられるのは華たちしかいないじゃん。そんな簡単なことだよ」


私は少しだけ自慢気な顔をした。


すると、愁がポソッと呟いた。


「竜の民って皆こんな感じなのかな」


私は愁夢を凝視した。


「和国の人は竜の民を知ってるのか!?」


白虎が驚いた口調で訪ねると、有言がうなずいた。


「あぁ。暗殺者の祖師は竜の民だったそうだしな。暗殺者の中では竜の民は尊敬の民とされている。ただし、滅亡したと聞いていたんだがな……」


チラッと有言は私をみた。


「だが、生き残りが存在している」


私はヒラヒラと手を振った。


「私と後もう一人いるよ。双子の弟のフウも竜の民だし[刻破り]を使える」


有言とファーナスと愁夢は目を見開いた。


莢さんはフウの存在を知っていたのか、そんなに驚いてはいなかった。


そういえば情報屋だったしなぁ……。


「だけど、私とフウ以外はいないと思うよ。だって、私たちは竜の民が滅亡になる寸前、つまり100年前からここまで逃げてきたんだもん」


刻を自由に行き来できる能力。


それが刻破りだから。
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