太陽の竜と闇の青年
「それが出来たらとっくにしてるよ。だけどね、ルウ。例えば金目のものをのけて、カバンに入れるとする。けど、ついこの前まで鎖国していた和国は検査でしっかりとカバンの中までみちゃうんだよ。そしたら簡単に見つかっちゃうじゃん。中身が金目のものだってことが」


あぁ……。そっかぁ。


……てことは、


「もしかして、ターバンの中も見られちゃうの!?」


この言葉には、みんなが反応した。


「そうだよねー。ターバンの中見られたら入れなくなるかもねー」


「えぇ!?そうなったらここまできた意味がないじゃないですか!!」


「サ、サクラさん、落ち着いてください」


「いや、以外と白銀の髪でも普通に入れるかもしれねぇぞ?だってよ、和国はついこないだまで鎖国していたんだ。他国で白銀の髪はダメだって言われていることなんて知らないんじゃねぇのか?」


「さすが坊ちゃんです。そういう考えもありますよね」


私たち一同は、白銀の髪についてはリクの意見に賛成した。


でも、まだ問題点はいくつも残っている。


「白銀の髪の問題は解決したとして、金目のものはどうするの?」


私が小さく手を挙げて聞くと、サクラがガバッと顔を上げていった。


「それなら、わたしにいい考えがあるんです」


皆はサクラのいい考えというものに耳を傾けた。


「わたしが金目のものを預かって、蒼国へこのまま戻ればいいんですよ」


この意見には皆驚いていた。


「えっ!でも、サクラ、さっきここまできたんだったら戻りたくないって感じのことを言ってたじゃん」


私が素っ頓狂にそう言うと、サクラは小さく笑いながら言った。


「わたしは皆様の役に立てればうれしいんですよ」


すると、そんなサクラを見かねたラカが少し張りのある声で言った。


「でしたら、わたくしもサクラさんと一緒に戻ります。サクラさん一人じゃ少し心配ですから」


私とフウはニヤニヤしながらラカを見つめた。


ラカはそんな私たちをチラッとみて、恥ずかしそうに一つ、咳払いをした。


「ま、そういうことなので和国のほうは若様と姫様で解決してくださいよ」


私とフウは超生返事らしい生返事を返した。

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