先輩へ… 16年後のラブレター
子どもたちと守衛の詰所の前で待っていた。

時間にして5分ぐらい…。

怖くて守衛のオジサンが行った方を見られない。

緊張してきた。

会えるのか? 会えないのか?


―――会ってくれるのか?


「あっ。おー、久しぶり!」

―――!!

水野先輩だ!!

本物だ!!

「ごめ…、ごめんなさい…っ!」

「何? 何、どした?」

「先輩っ!! 私、わたし……」

うわぁぁぁぁぁん

16年ぶりに見たのは、16年前と変わらない、優しい顔の水野先輩だった。

会いたくて、会いたくてたまらなかった水野先輩。

今、目の前にいる。

私を見てくれている。

優しい眼差しで…。
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