先輩へ… 16年後のラブレター
気が付くと、子どもたちは横になって寝ていた。

母に気をつかってくれたのだろうか?


水野先輩に聞きたかった事を聞いてみる。

「今はお仕事は?」

「うん。23才の時に就職して、今もそこで働いてる。
Kっていう会社。」

「えぇっ!? 構内!?」

その会社は、私も働いていた会社の構内の、協力会社のひとつ。

社名を聞いてすぐわかるところだった。

「そんな…、構内にいるなんて…。」

家の仕事を継いでるか、そういう料理の道へ行ってると思っていた。

そんな近くにいたなんて…。

構内はかなり広いし、工場なので、気軽に誰かに会いに行けるようなそんな場所ではない。

でも、私は、そのK社に週1ぐらいで、数量の報告の電話をしていた。

電話の相手は決まっているので、私が掛けた電話を水野先輩が取ることはないのだけれど。

そこにいたなんて…。
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