誘惑のクラン(血族)
ふたりは廊下を出たところで、碧羽に出くわした。


「やあ、おはよう。美菜さん、璃子さん」


「碧羽くん! なんでこんなに早いのっ!?」


思いがけない時間に碧羽に会えて、美菜は嬉しそうだ。


「なんだか目が醒めちゃったんだよね。美菜さんと璃子さんがいるおかげかな。今日もたくさん話をしようね。璃子さん、なにかあったら言ってね?」


「碧羽くん、璃子にはちゃんと恋人がいるんだから、私に言ってよ」


「恋人……?」


碧羽は眉根を寄せる。


彼女はなにを言っているんだ?


次の璃子の言葉に碧羽は目を見張った。


「美菜、早く行こう。優真さんが待たせたくないの」



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