誘惑のクラン(血族)
そこへキレイな顔を不機嫌そうにさせて音羽が入って来た。


「八条、私にもそのジュースをちょうだい」


もちろんそのジュースがなんなのか、音羽にはわかっている。


「残念ながら、なくなってしまいました。別のものをお持ちいたしましょう」


「音羽さん、私ので良かっ――」


「璃子ちゃん、音羽は別のでいいんだ。それは君が飲みなさい」


優真の声は柔らかい口調に聞こえるが、音羽には威圧的に聞こえた。





食事後、優真は双子の兄妹に仕事の話があるといい、璃子は美菜に誘われて娯楽室にいた。


何度もここで遊んでいる美菜が、アメリカンポップスのCDをケースから取りデッキに入れる。


< 158 / 356 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop