プラトニック・フリン
心の叫び
それから二年経った頃にあなたの転勤の辞令がでた。
それは本社への栄転で誰もが喜ばしい事と受けとめる中、私独りが沈んでいた。

転勤前の最終日、営業先への引継ぎの為の挨拶回りで、忙しく走る車内で私はだんだん無口になり俯いたままだった。

就業後の送別会の一次会ではあなたの同僚の男性達がまわりを囲み、私はあまり近づけなかった。
その後二次会に移動する時、素早くあなたの隣に行き、他の人より遅れて店を出て二人だけでゆっくり歩いた。

私は今日で最後と思うと、常識も世間体も忘れて口走っていた。


「おねがい一晩だけでいい…!あなたが…ほしい!」



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