きすはぐあまこい
「まぁまぁ。そんな優しい"お義兄ちゃん"が、実は恋する瑞奈ちゃんのために特別に!大切な、大切な愛しの絢(あや)さんとの時間を使って計画を練ってきたのです!」
「……はあ?」
胸を張る国原にわたしは思いっきり顔をしかめた。
「だから『はあ?』じゃなくて、計画だよ計画。
名付けて!"蓮田瑞奈と沢木歩夢、LOVE(ラブ)い恋人までの道程(みちのり)"―…」
かっこよく言いたいつもりで、胸に手を当てて明後日の方向を向く国原は最高にキモかった。
って!
「こ、恋人ぉお!?」
わたしの声はD組全体どころか、多分隣のクラスまでにも響き渡ったと思う。
そしてその声はもちろん―…、
「……ん…ー?」
「沢木くんっ!」
見事な睡眠妨害となって、沢木くんにも浴びせられた。