きすはぐあまこい
「…ご、ごめんね。沢木くん」
恐る恐る切り出すわたしの後ろで、国原が笑いを堪えてる図(え)が浮かぶ。
元はといえば国原が悪いのに…!
「…んー?何かわかんないけど許す。…あ、起きたついでに便所とさっき作ったエリザベールの具合でも見てこよっかな。じゃーね」
「あ…、うん」
沢木くんは全く気にしてないように言い残し、まるで蝶々のようにひらひらと教室を出て行ってしまった。
…というかさっきの像、エリザベールというのね…。
「…で!あんたは一体何なの!?」
沢木くんの背中をきちんと見送った後、わたしは振り向いて国原を怒鳴りつけていた。