未来からのおくりもの(仮)
「あ!」
そうだ! 教室!!
あたしの教室に行けば…!!
「今度はなんだよ?」
もはや呆れた声の由良の背中を押し、調理室を出たあたしは斜め前の階段を指した。
「来て!」
「なんでだよ」
「いいから!」
階段を駆け上がるあたしは3階まで全速力。
息を切らして振り返ると、由良が不機嫌な顔で階段を登って来ていた。
「早くっ!」
「アイツうぜぇ。 なんで俺が…」
ブツブツと言い始める由良を置いて、今日から自分のクラスになった教室へと足を進める。
けれど、
「嘘……」
自分の教室であるはずの部屋は空き教室になっていて、椅子もなければ机も無かった。
あるのは隅に置かれた授業で使う備品と、ダンボールがいくつか。
ロッカーは全て空になっていて、朝にはあった教卓も、黒板横の棚も無くなっていた。
「なんで…? あたしの机は? 沙希の机だって!! みんなのも…!!」
殺風景な教室に反響したあたしの声。
キョロキョロとするあたしの様子を扉に背を預けて見ていた由良が、とうとう哀れむような目を向けて溜息を吐いた。
「お前、頭大丈夫か?」
「大丈夫もなにもあたし間違ったこと何も言ってないっ! G組はこの教室だもん!!」
「ふーん…コレが?」
扉から背を離し、教室内をぐるりと見回した後 バカにしたように手のひらを上に向けて首を傾けた。