~その手は危険~ 【密フェチ】
親指でゆっくりと。
感触を確かめるように。
唇を、辿られた。
「付いてる」
私の唇に触れた親指を、躊躇う事なくぺろりと舐める。
「!?」
キャラメルマキアートの泡を拭われたんだと気付く。
気付いた途端。
急に意識してしまい、体が一気に熱くなった。
「気をつけて、なつめちゃん」
いつもの穏やかさはどこにもない。
そこにいるのは不敵な笑みを浮かべる、知らない男――。
「僕の手は危険だよ?」