大好きな君へ




彼女の家の近くまで来ると懐かしさと緊張で胸のドキドキが加速していく


昔、世間で言う夏休みが始まって暫くした
暑い夏の日に彼女を家まで送ってあげたことがある


夕方だというのに西陽がきつくて、彼女は日傘を差していたっけ




もし彼女に会えたら何て言おう?


いつか言えなかった言葉を口にしてみようか?


いや、それより僕を覚えているだろうか?


あれから随分と時間がたっている気がする




彼女の家の前まで来たものの、どうすれば良いか迷った僕は
何をするでもなく彼女の家の玄関の扉をジッと眺めていた



電柱の影から眺めているその姿は、他人から見たら所謂不審者で



もしや…えっと何だっけ?


え~…とそうそう!


今で言うストーカーってやつじゃないだろうか?



これはマズイと思い電柱から離れ
彼女の家のピンポンベルを鳴らそうか迷っていると、彼女の家の玄関から人の出てくる気配を感じた






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