大好きな君へ
そこから出てきたのは紛れもなく彼女で、驚いた僕は咄嗟に電柱の影に隠れてしまった
何をしてるんだ僕は!
彼女に逢いに来たくせに、隠れてしまっては意味がない
僕は電柱から顔を少し覗かせて彼女の様子を伺った
彼女は白い肌に似合う真っ白なレースのワンピースを着ていた
そんな服装をあの日
彼女をここに送り届けたあの日もしていた気がする
忘れていた記憶と気持ちが一気に甦っていく
あれから沢山時間が経ったのに、彼女はちっとも変わっていない気がした
それどころか透けるようなシミひとつない白い肌も
艶やかな髪もあの頃よりももっと
もっと輝いて見えた
彼女は眩しそうに太陽を仰ぐと、持っていた日傘を差して
僕がいる方と反対方向へ歩き出した