オレンジ・ドロップ

 その理由を凛ちゃんの口から告げられた

 「私達もサヤと同じ所受けてたの」


 「……?」

  どういうこと?

  理解できないよ

 彼女は続ける

 「私達もね順鳳受けたの」 
 
  うそ!

  なんでそんなにレベル下げんのさ!


 「何で……、言ってくれなかったの? 私願書出す時まで……ずっと一人だと思ってたんだよ」

 凍りつく私


 「一人にさせるつもりはなかったんだけど……合格するまで、サヤには黙っておこうって……」


 「私が言う。紀は、サヤにちゃんと言った方が良いって言ってたの。それを止めたのは私。」

 強い口調で言う凛ちゃん


  そんなのちっとも嬉しくない

  二人とも凄く頭いいんだもの

  どうせ滑り止めでしょ?

  絶対都立受かるもん

  そんなの聞いたって4月から一緒に行くわけじゃないんだし

  そういえば

  塾で私と紀ちゃん同じ問題集を広げてたっけ? 


 「気づいてると……思ってたの、今まで黙っててゴメン」


 「もう……いい」


 「驚かせたかったのよ だから、彼女を攻めないで」


 「本当にごめん。」

 紀ちゃんの最後の言葉には耳を向けずOちゃんとカミッチに向き直る


 「行こう」

 「いいの? いつも仲が良いのに」

 ちょっと心配そうなOちゃん


 「うん、いいの」



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