記憶 ―砂漠の花―



砂漠で目覚めた私…、
…幼い私、
もう一つの心臓…。


二つ目の心臓――?



カオスの泉で…、

他の誰でもない、
アズに拾われた私。

ラルファで育った私…。



運命とは、
時に優しく…

あまりに、残酷だ―――



あぁ…

愛しのアズ…


貴方と私は、
血が、繋がっていたの――




『俺は…。俺の理想は妹を連れて帰り、アイリには俺の妻になってもらう事だ…。アイリ以外の女など妻にする気は元々ない。』


ほんの数日前の、
嬉しくて涙した言葉…。


『この旅が終わったら。無事に、ラルファへと辿り着いたら…。その時は…、アズに、言おう…』


内に秘めた誓い――


『私も、好き――。』

未だ、
伝えていない想い…。




手を伸ばして、
掴みかけた儚い夢は、

まるで砂漠の砂のよう…


さぁっ…と、
追憶の風に吹かれ、


私の手から、消え去る―――





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