~校内恋愛禁止ですっ!!~
手を引き抜いた私は、呆然としていた。
「おい大丈夫かよ、オマエ」
「百円が……」
「別に百円ぐらいいいじゃねぇか」
「良くないわ!!私の、私の一ヶ月のお小遣いの残りがぁ!!」
「え、まじかよ」
その通り。
私のサイフの中に入っているのは、さっき落とした百円、ただ1枚のみ。
こんな形でお小遣いを使い切るなんて!!
一方天上先生はそんな私に声をかけることも無く、黙々と飲み物を買っている。
ふんっ!!
お金に余裕がある人はいいわね。
ガコンと缶ジュースが落ちる音がした。
天上先生は自販機の取り出し口のカバーを上げ、缶を取り出す。