〈短編〉かわいくなりたい
和也さっき何を言おうとしたんだろう…。
私はそう思いながら和也をじっと見ていた。


「んじゃあ…おばさんにさぁ今日はよろしくお願いしますっていといて」


和也は私を見上げながら見た。その表情はとても悲しそうな顔をしていた。

なんでそんな悲しい顔をするの??


「わかった。言っておくね」


私は励ますように優しく笑顔で言った。

和也も私の笑顔に応えるかのように笑顔を返してくれた。
でもその笑顔も悲しそうだった。


和也はそのまま教室に出て多分部活に戻ったと思う。

鈴木君は和也がいなくなったことを確認すると私の座っている机の前の席にゆっくりと座った。


でもよかった──和也と普通に話せて…しかも今日泊まりに来るから楽しみ♪
和也に告白はもうする勇気はないけど色々話したいな…


「高橋??」


あ!!やば!!今鈴木君といるんだった。


「ごめんごめん。ボーっとしちゃった」

アハハと笑いながら言った。



「で…話ってなに??」

なんだろうなぁ──同じクラスだけどあんまり話さないしなぁ…。
今思うと男の子とあまり話さないからちょっと変に緊張するよ─。


「えっとね…。」

鈴木君は頭を掻きながらなぜか顔が真っ赤かだった。

「つか─宮崎とどういう関係なの??さっきおばさんによろしくとかなんか言ってたけど…」


「あ~さっきの??うちと和也さ幼馴染で今日和也の親が出掛けるもんで今日はうちん家に泊まりにくるんだよね」


なんかあんまり和也の話しないから照れるな…和也の話をいつもしてるのは…七菜だけだもん…。
こんなに好きな人の話を他の人に話すのって楽しいんだ…。






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