〈短編〉かわいくなりたい
「なんか相談にのってもらっている感じですね」

「本当だよ。高橋があまりにも面白くてさ」


思い出したのか、我慢をするようにクスクス笑い出した。


「もぉ!!鈴木君笑いすぎですよ!!」


照れ隠しをするかのように鈴木君の頭を軽くグーで叩いた。


「ごめんごめん」


防ぐような体制になりながらでも笑いは収まらない。


「つーか…敬語はやめて?同い年なんだから」

笑いながら言った。


「うん!!そうだね!!」


「てことで話は終了!!門まで一緒にいこ!!」


断ることもできず…。笑顔でうなずいた。


玄関までいくとさっきまで小さかった掛け声が大きくなり野球部の声が聞こえてきた。
やっぱり和也が野球部だとおもうと耳を傾けてしまう。


「鈴木君は部活に行かなくていいんですか?」


「俺は門まで高橋を見送ったら部活に戻るよ」


なんか和也に見られたらやだな…。
でも和也部活してるし気づかれないよね…?

そう思いながら野球部か活動しているグラウンドを見た。
つい和也の姿を探してしまう。


和也はどこだろう…
あ!!いた。


………あっ

私がボーッと和也の方も見ていると


「高橋?どうかした」

ハッと気づいて

「ごめん!!ボーっとしてた」

和也…女の人と話してた。しかも笑い声が聞こえる。
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